目次
Americas
USD
- 基軸通貨。国家間の取引で使われることも多く、世界的に需要が高い。
- 取引量が世界最大。通貨別取引高シェアでは約45%をしめる。
- 流動性が高く、取引量が多いため、 他の主要国通貨と比べると相場変動は小さめ。
- 「有事のドル買い」という言葉もあるように、リスクオフの局面で選好される傾向。
CAD
- 資源国通貨として知られ、原油や天然ガスなどの資源価格の影響を受けやすい
- 米国との経済的結びつきが強く、米国経済やドルの動向に大きく影響される
Europe
EUR
- 1999年1月から会計通貨として取引が開始されたユーロ圏の単一通貨。
- 現金通貨としてのユーロは2002年1月誕生で歴史が浅い。
- 取引量は米ドルに次いで世界第2位。通貨別取引高シェアでは約15%。
(USDとEURを合わせるとそれだけで約60%のシェア) - ユーロ参加国の財政政策は各国の主権が維持されていて、財政基盤の強い国・弱い国が混在する。一部の財政基盤の弱い国の問題がクローズアップされると、共通通貨であるユーロが下落し、その他の国がデメリットを受ける。またその解決のために財政基盤の強い国が、財政基盤の弱い国を助ける(財政支援などを行う)必要が生じる。
- ユーロ圏は、ロシア、アラブ諸国とも地理的・経済的に深い関係があり、それらの国々で紛争・テロなどが起きたり、経済危機懸念が高まると、ユーロが売られやすくなる地政学リスクがある。
GBR
- 英帝国時代から第二次世界大戦直後までは世界の基軸通貨だった。その後の英国経済の衰退とともに、基軸通貨の地位を米ドルに取って代わられたが、それでも国際的な重要性を維持している。
- イギリスは北海油田を保有しているため、原油価格の変動が英ポンドの価値に影響を与えることがある。
- 地理的・経済的にユーロ圏と密接な関係があるため、ユーロの動向にも影響を受けやすい側面がある。
- 高い流動性と値動きの大きさから、短期トレードや投機目的で利用されることが多い
CHF
- スイスは永世中立国のため他国情勢に比較的まきこまれにくい。、地政学的リスクが低く、経常黒字国で政府債務も低いため、世界的な経済不安時に「安全通貨」として選ばれやすい。
- スイス国立銀行(SNB)の金融政策がスイスフランの価値に大きく影響する。これまで為替介入も積極的に行われているため突然の変動を演出することがある。2015年スイスフランショックが有名。
Asia
JPY
- アメリカが戦争・紛争の当事者または関係者となる場合や、米国の金融政策に絡む思惑先行で不透明感が高まった場合などは、ドルを避けて、リスク回避として円が買われる傾向。
Oceania
AUD
- 鉄鉱石や石炭など豊富な資源を持ち、全輸出の5割以上を鉱物資源が占めていることから、資源国通貨という側面を持つ
- オーストラリアは中国を最大の貿易相手としている、輸出全体の30%以上が中国向け。 そのため、AUDは原油・金・鉄鉱石などの商品価格や、中国の要因の影響を受けやすい。 中国の経済指標が良ければAUDにプラス、景気鈍化が示唆されればAUDにとってマイナス材料となる。
NZD
- ニュージーランドは中国やオーストラリアを主要な輸出先としている。中国やオーストラリアの景気動向に影響を受けやすい傾向がある。
- NZDは資源国通貨と言われているが、AUDなどとは少し性質が異なる。ニュージーランドは酪農業が主要輸出産業であり、全輸出の3割弱を酪農製品が占めている。そのため、NZDは原油など資源の価格だけでなく、乳製品といった農産物価格の影響も受けやすいという特徴がある。