
「糖尿病と人種の関係」について、ご紹介していきます。



まず結論からお伝えします。



人種によって、糖尿病の発症リスクや、症状の出方、合併症リスクが違うことが、世界中の研究で明らかになっています。



まず、発症しやすさには大きな人種差があります。
- アジア系(日本人・中国人・インド人など)
→ 体格がスリムでも、糖尿病になりやすい傾向があります。
→ インスリンを出す力(膵臓の機能)がもともと弱いことが背景にあります。 - 白人(ヨーロッパ系)
→ 糖尿病発症率はやや低めですが、太ると一気にリスクが上昇します。
→ インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が原因になりやすいです。 - アフリカ系アメリカ人
→ 糖尿病の発症率が高く、特に腎臓病などの合併症も起きやすいことが分かっています。
→ こちらもインスリン抵抗性が強いタイプが多いです。 - ヒスパニック系(中南米系移民など)
→ 若い年代から糖尿病になりやすく、医療アクセスなどの社会的要因も影響しています。



糖尿病が起こる背景も、人種によって違います。ポイントは3つ。
- 遺伝的な体質の違い
- 食生活や運動習慣などの生活習慣
- 医療や健康教育を受けられる社会環境
これらが組み合わさって、リスクが大きく変わる



糖尿病による合併症も人種差が出ます。
- 腎臓病(腎症)
- 目の病気(網膜症)
- 神経障害 など
どの合併症が起こりやすいか、進行が速いか、これも違ってくることが報告されています。



日本人と欧米人をもう少し詳しく比べてみましょう。
比較項目 | 日本人(アジア系) | 欧米人(白人系) |
---|---|---|
主な原因 | インスリン分泌能の低下(作れない) | インスリン抵抗性の増加(効きにくい) |
発症時のBMI | 低い(普通体型でも発症) | 高い(肥満がリスク) |
脂肪のつき方 | 内臓脂肪型(スリムでも内臓に脂肪) | 皮下脂肪型(見た目にも太りやすい) |



治療方針も人種によって変わります!
- 日本人は、インスリン分泌を助ける薬(DPP-4阻害薬など)を使うことが多い。
- 欧米人は、インスリン抵抗性を改善する薬(メトホルミンなど)が治療の中心になります。



ポイントを最後にまとめます。
- 日本人 → 「膵臓が弱いから糖尿病になる」タイプ
- 欧米人 → 「インスリンが効かなくなって、膵臓も疲れる」タイプ



これら違いを知ることで、自分に合った予防・対策を取ることがとても大事です
おしまい
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