
今回は「スイスの正式な国名」について、ちょっと意外なお話を紹介します。



「スイス」と聞くと、山が美しい国、チョコレート、永世中立国
――そんなイメージがありますよね。



でも実は、「スイス」という名前、正式な国名ではありません。



スイスの正式な国名は、ラテン語で「Confoederatio Helvetica(コンフェデラティオ・ヘルヴェティカ)」。意味は「ヘルヴェティア連邦」です。



じゃあ、なぜラテン語?それには、スイスという国の「多言語国家」としての特徴が関係しています。



スイスには、公用語が4つもあります:
- ドイツ語では「Schweiz(シュヴァイツ)」
- フランス語では「Suisse(スイス)」
- イタリア語では「Svizzera(ズヴィッツェラ)」
- ロマンシュ語では「Svizra(スヴィズラ)」



このように、言語によって国名の呼び方がバラバラなんですね。



1つの言語だけを正式名称にすると不公平。そこで、どの言語にも偏らない中立的なラテン語が選ばれたというわけです。



そして、日本語の「スイス」や英語の「Switzerland」という呼び方は、実は通称(外名)なんです。



その由来は、スイス建国の中心となったシュヴィーツ州(Schwyz)。



ここから、以下の流れで、現在の呼び名になりました。
シュヴィーツ →【英語】 Switzerland →【日本語】 スイス



さらに、「Confoederatio Helvetica」の「ヘルヴェティカ」は、古代ローマ時代のケルト系部族「ヘルヴェティ族」にちなんでいて、スイスの連邦制・中立性・独立性を象徴する名前になっています。



なお、国名3文字コードは正式名称ベースの「CHE」。ただ用途によって通称よりの設定がされている場合もあります
- 2文字コード:CH
- 3文字コード:CHE
- IOCコード(オリンピック):SUI
- FIFAコード(サッカー):SUI
- 国際車両コード(ナンバープレート):CH



というわけで、スイスの正式国名は「スイス」ではなく、「コンフェデラティオ・ヘルヴェティカ」。



この事実を知ると、スイスという国の歴史や価値観が少し見えてきますよね。
おしまい
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